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ADRとは?|米国預託証券|日本株との違いについて
ADRとは、米国預託証券のことで「A merican D epositary R eceipt」の略称です。もともとは、アメリカの投資家が米ドル建てで外国企業に投資できるように作られました。
外国企業の株式を預託機関である銀行または信託銀行(BNY Mellon / Citi Bank / Computershare / Deutsche Bank / J.P. Morgan Chase)に預け、これを担保に現地企業の所有権を示すDR(D epositary R eceipt)という有価証券を発行し、通常の米国株式と同じようにアメリカ市場(A merican)で売買できるようにしたものです。現地企業の株式に対するADRの所有権の比率(Ratio)は、各ADRの銘柄毎に異なります。
ADRは、①現地企業が正式に信託銀行と契約して発行するADR(スポンサード / Sponsored)、②現地企業の関与なしに、信託銀行が独自に発行するADR(アンスポンサード / Unsponsored)の2つに大別されます。また、ADRは「財務情報の開示水準」「GAAP(一般に認められた会計原則)への準拠」「米国市場への上場の有無」「IPOによる資金調達の可否」などの要素によって、Level I、Level II、Level III の3段階に分類されます。
レベル
特徴
上場可否
SEC登録
資金調達
Level III
新規株式の発行を伴い、
資金調達が可能。
Level II
米国証券取引所に上場可。
GAAP/IFRSに準拠。
Level I
OTC取引。最も規制が緩い。
GAAP適用義務なし。
最低限の
報告のみ
ADRを利用すれば、わざわざ世界各国の現地の証券会社にそれぞれ口座を開設しなくても、日本からアメリカ市場を通じて「世界時価総額ランキング 」にランクインするような世界の優良銘柄へ海外投資することができます。
ADRは、【1】Main Board / メインボード(主要取引所 : NYSE / NYSE American / NASDAQ / IOBなど)上場銘柄と【2】それ以外のOTC / オーティーシー(店頭取引 / O ver T he C ounter)銘柄の2つに大別されます。
日本企業のADR銘柄も取引可能で、Main Board(主要取引所)15 銘柄、OTC(店頭取引)332 銘柄(OTCランクがPink Limited Information以上)です(2025年08月08日時点)。
OTC市場は、情報の透明性や基準に応じて階級ランク付け されています。「OTCQX」「OTCQB」「OTCID」「Pink Limited Information」「Expert Market」「Grey Market」の順に投資リスクが高まります。
180.co.jpでは、「OTCQX」「OTCQB」「OTCID」「Pink Limited Information」に該当する世界49カ国のADR銘柄を厳選して掲載しています。その他のOTCランク銘柄は「otcmarkets.com 」から検索することができます。
2025年度において、流動性が比較的高く(1日平均取引量1万株以上 / △-以上 / 180.co.jp掲載銘柄)、十分に取引可能なADR OTC銘柄は508社で、全体(1,782社)の約28.5%です(2025年07月31日時点)。また、現地の主要取引所に上場している同じ銘柄よりも、OTC銘柄の方が、初期投資金額が低い場合が多く、裁定取引などの投資チャンスも広がります。
年度
OTC Link 銘柄
1日平均取引量
1万株/△-以上
割合
2025年07月31日時点
1,782
508
約28.5%
日本のネット証券会社を経由して、米国上場のADR銘柄へ海外投資することもできますが、取扱銘柄数は限定され「オプション取引 」はできません。
更新日:2025年08月08日
注) 日本国籍・日本在住の方が口座開設できるネット証券会社一覧です。
更新日:2025年03月12日
ADR(米国預託証券) / Main Board(主要取引所)
取引所
銘柄数 注1)
NYSE
195
NYSE American
6
NASDAQ
189
LSE IOB
3
合計
393
注1)カナダを除くADR銘柄のみで集計しています。
更新日:2025年07月17日
ADR(米国預託証券) / OTC(店頭取引)
OTCランク
銘柄数 注2)
OTCQX
75
OTCQB
6
OTCID
28
Pink Limited Information
1,676
合計
1,785
注2)カナダを除くADR銘柄のみで集計しています。
更新日:2025年08月15日